Concept


「タコのまくら」って?

 

「タコノマクラ」は海の生きもの。

丸くて平べったくって、表面にはお花の模様。とても不思議な形をしたウニの仲間。

その昔、この生き物を見つけた学者さんが「こいつはタコが枕として使うのにちょうどいい形をしとる」と面白がって名付けたという。

陽だまりでついついうたた寝してしまうような、ゆっくりのんびりできるカフェにしたい、そんな願いを込めて「タコのまくら」と名付けました。

 

「タコのまくら」では島で採れる季節の野菜や島の特産物である醤油やオリーブ、こだわりの素材を使ったおいしくて体にやさしい料理を提供します。

建物は大正時代に建てられた古民家をもとに自分たちでコツコツ改築して作りました。

木や漆喰など自然な素材に囲まれたホッとのんびりできる空間になっています。海に面した窓からは穏やかな瀬戸内海の景色を楽しむこともできますよ。

 

おいしいご飯やお茶をたのしみながら、のんびりまったりしに来てください。

ついついお昼寝したくなるような、そんなカフェです。

 

 

タコのまくらプロジェクト  こぼれ話

 

この家に出会ったのは2009年の春だった。

当時の僕は人が集まれる場所を作りたいとなんとなく思っていた。

それにはカフェが最適な気がして近所の海沿いをブラブラと歩いて物件を探しているうちに1軒の空き家が目に付いた。

海の目の前に立つ立派な瓦屋根の古民家。庭には1本の松の木。

1目で気に入った僕はその年この家を購入し、カフェ開店に向けての改築を始めた。

 

といっても、僕の仕事は自然舎(じねんしゃ)という小豆島のツアーガイドサービス。

カヤックをつかった海のガイドと山やお寺、醤油蔵などをめぐる島のガイドを行っている。

そのため古民家の改築作業を行うのはオフシーズンの冬場に限られた。

 

冬になりスタッフたちと改築作業に取り掛かり始めたのは2004年。だが、なにぶん素人の集まり。

改築作業は遅々としてなかなか進まず、いつのまにか春が来て再びカヤックのシーズンが始まり、古民家の改築作業は一時中断。

そして再び冬が来て改築作業を再開するのだが、その冬にもやはり完成にはいたらず、再びカヤックシーズンに突入。

というサイクルを何年も繰り返すことになった。

 

「来年の春にはオープンするよ!」

この言葉を口にしながら、結局4度も春を見送ってしまった。

まわりの誰もがカフェなんてできるわけないと思っていただろう。カフェを作っていた僕たちだってやっぱり無理かもと思ったことが何度もあった。

 

立派な梁を見せたいがために後先考えず天井をぶち抜いてしまい、屋根から落ちてくる砂ぼこりに最後まで悩まされることになる1年目の冬。

なけなしの知恵と体力を振り絞り、白アリに食べられてボロボロになっていた柱と梁をなんとか交換することができた2年目の冬。

カフェの空間とはあまり関係のない2階のスタッフスペース制作に妙に熱が入ってしまい、それで終わった3年目の冬。

1階のカフェスペース制作にようやく取り掛かり、来年の春には・・・というのが少し現実味を帯びたが、やはり間に合わなかった4年目の冬。

そして、みんなの力を再結集し、ホコリまみれ汗まみれ、限界まで、いや限界以上がんばった5年目の2014年秋。冬を目前にしてとうとうカフェは開店した。

 

僕らが作ったこの空間でお客さんがおいしそうにご飯を食べてくれ、コーヒーを飲みながらのんびりくつろいでくれている。

そんなカフェとしては当たり前の風景が僕にとってはキラキラと輝く夢の世界のように見える。

 

「そんなん貸しとったっけ?」忘れてしまうぐらい長い間、大切な道具を貸してくれた田中組さん、近所の青柳さん。

「盆休みもないんかい!」作業の音でいつも迷惑かけていた隣の武部さん。

大きな心で見守ってくれてありがとうございました!

 

僕の計画性のない漠然とした夢に一緒に付き合ってくれた歴代スタッフたち。

困った時にさりげなく手伝ってくれたり、いろいろ差し入れしてくれた優しい友たち。

大きな愛をありがとう!

 

そしていつも陰ながら応援してくれた家族のみんな。ありがとう!

 

みんなのおかげで「タコのまくら」はできました。いつでも遊びに来てください!

 

「来年の春にはオープンするよ!」もう言えなくなってしまうのが少し残念な気もする(笑)